Message for
Living with Art Project

当プログラムの作品の選定にあたっては、生活をする場所である自宅のリビングや玄関、トイレなどに作品があって、なにか風景がちょっと変わる瞬間を楽しめるような作品を選べたらなと思っています。自宅にある作品は美術館での作品とは違って、じっと見たり勉強するものではなく、体のどこかでふと感じたり、目に時々入ってくるものです。なにかインスピレーションとパワーを与えてくれるとか、安らぎを感じたりとか、突然絵の中の色に目を取られたりすることはあるかもしれませんが、ずっとそこにあって、風景になっていく。それを架け替えたりすると別の風景が見えてくる。そんな体験ができるものを選べたらと思っています。

小山 登美夫

1963年東京生まれ。1987年東京芸術大学芸術学科卒業。1987年～1989年まで西村画廊勤務。1989年～1995年まで白石コンテンポラリーアートでの勤務を経て、1996年に江東区佐賀町に小山登美夫ギャラリーを開廊。奈良美智、村上隆をはじめとする同世代の日本アーティストの展覧会を多数開催するとともに、同世代の国外アーティスト、トム・サックスやフランツ・アッカーマンなどを日本に紹介する。また、オープン当初より、海外のアートフェアへも積極的に参加。日本アーティストの実力を世界に知らしめるとともに、マーケットの充実と拡大を模索する。2003年1月に中央区新川に移動、さらに2005年11月に江東区清澄白河にギャラリーを移転する。2008年より明治大学国際日本学部特任准教授。2013年4月渋谷ヒカリエの8階に03/ART GALLERYをオープン。著書に「現代アートビジネス」（アスキー新書）、「この絵、いくら？」（講談社）、「何もしないプロデュース術」（東洋経済新報社）、「見た、訊いた、買った古美術」（新潮社）。